こんにちは、西田です!
気づけばもう12月、2022年もあっと言う間に終わりが近づいてきました。私の住むフロリダでは街はすっかりクリスマス・ムードですが、日中の気温はまだ25度ほどで暖かく、その中でクリスマスシーズンになると流れる恒例の曲を聞いても、その気になれない、というのが正直なところです。(笑)
ところで、来週の木曜日より1週間ほど日本を訪問することとなりました。コロナが始まって以来、実に3年ぶりとなりますが、今からものすごく楽しみです。
滞在中には一般向けのセミナーを20日(火)の夕方に開催します。私の方から「サイエンス、PDCA、そして保守主義」というテーマで1時間ほどお話をさせていただいた後、懇親会とする予定です。お時間の都合のつく方はぜひご参加のほど検討下さい。
また、それ以外にも15日(木)より20日(火)までは東京都内におりますので、もしこの機会に対面でお会いしたいという方がいらっしゃいましたら、ぜひ私のメール(kan@exploratory.io)まで直接ご連絡下さい!
それではいつものように、以下データに関する興味深い記事の紹介です。
最近の興味深いデータ関連記事
レコメンドシステムの落とし穴 Part 1 - ユーザーの「好み」と「選択」と「幸福」
SpotifyやApple Music、YoutubeやTwitter、またはAmazonなど、アルゴリズムを使って私達の「好む」コンテンツをレコメンドするサービスを私達は毎日のように使っていますが、そうしたレコメンドされたコンテンツがいまいち自分のほんとうの「好み」を反映していないと思ったことはありませんか?
実は、たとえデータが増えても、アルゴリズムの性能や仕組みがよくなっても、ユーザーの「好み」を正確に把握するのは難しいため、性能の良い「レコメンド・システム」を作るのは難しかったりします。
そこで、ユーザーの「好み」を理解しようとする際によく見落とされがちな、「好み」と「選択」、そして「幸福」の違いを整理した上で、最終的にはより正確に「好み」を理解するために何ができるのか、ということをまとめた素晴らしい記事(リンク)がありましたので、これから3回に分けて紹介していきます。
まずはその第一回目で、「好み」とは何か、そして「好み」、「選択」、「幸福」の違いを、レコメンド・システムという観点から説明したものが以下となります。
レコメンドシステムの落とし穴 Part 1 - ユーザーの「好み」と「選択」と「幸福」 - リンク
ユーザーや顧客の「好み」を理解するのは、レコメンド・システムだけでなく、データ分析や予測モデルの構築などに関わっている人達にとっても同じように重要だと思いますので、ぜひご参照下さい。
何かを学ぶときは「馬鹿」である方がいいという話
授業やミーティングなどで、自分の知らない言葉やよく理解できないコンセプトが出てくるというのは、誰にも起きることだと思います。しかしそうしたときに、相手や周りに「馬鹿」だと思われることを恐れず、自分が理解できるまで質問し続ける人が最後は偉人となっていくという話を、偉大な科学者であるリチャード・ファインマン(ノーベル賞受賞歴のある物理学者)、ニールス・ボーア(ノーベル賞受賞歴のある理論物理学者)といった人達のエピソードを交え紹介する記事を書きました。
何かを学ぶときは「馬鹿」である方がいいという話 - リンク
四捨五入した数字か正確な数字、どちらを使うべきか?
Round numbers can sharpen cognition - リンク
小数点の扱いって難しいですよね。例えば、70%とシンプルに表現するか、それとも73%、もしくは73.24%とより正確に表現するか。12億円と表現するか、それともより正確に12.3億円と表現するか。
そこで、四捨五入した数字と小数点付きの数字のどちらを見せられたほうが、人間はより正しく理解できるのかを調べた人達がいます。テック業界ではA/BテストとしておなじみのRCT(Randomized Controlled Test / ランダム化比較試験)を行い、テストの参加者を2つのグループにランダムに振り分け、以下のように片方のグループには元の正確な数字を(左側)、もう一つのグループには四捨五入した数字が書かれた記事を読んでもらいます。
そして、その後参加者にその数字を思い出してもらったり、その数字を使った簡単な計算(割合や引き算の計算)をしてもらったりしたところ、四捨五入した数字を提示された人たちのほうが、より正確な数字を覚えていて、さらに計算結果もより正確だったとのことです。
このテストでは実際の数値が3,792の場合、正確な数字は3,792、四捨五入した数字は4,000として提示しています。そして、参加者が後から答えた数字が実際の数字3,792の10%前後であれば、それを「正解」ということにするとのこと。
するとテスト全体では、正確な数字を示された人達のうち50%未満の人達しか「正解」しなかったのに対し、四捨五入した数字を示された人達はそのうち70%近くの人が「正解」だったのこと。
さらにこうして提示された数値を使った割合や引き算の結果に関しても同じように四捨五入した数字を示された人達の方がより多くの人達が「正解」したとのことです。
データ分析の結果を伝たり、またはデータを可視化して数値を表示したりする際、相手にしっかりとその数値を認識し覚えてもらうという観点からは、あまり正確さにこだわって細かい数値を表示するよりも、思い切って四捨五入した数字を伝える、または表示したほうがいい、ということですね。
アンケートデータを分析するときによく使われる分析手法トップ5
弊社Exploratoryの白戸が最近行ったセミナーをもとに、アンケートデータの分析でよく使われる分析手法を簡単にまとめた記事を公開しております。アンケートデータを持っている人はぜひご参照してみて下さい。
アンケートデータを分析するときによく使われる分析手法トップ5 - リンク
プロダクト・マーケット・フィットを達成するための4つステップ
スタートアップをやってる人であれば誰もが耳にする「プロダクト・マーケット・フィット」というコンセプトがありますが、これがいまいち何なのか、特にまだ「プロダクト・マーケット・フィット」ができていない場合は雲をつかむかのようなコンセプトでもあります。
そこで、自分たちのプロダクトが「プロダクト・マーケット・フィット」しているかどうかを指標化し、さらに達成するまでのステップをまとめた記事を弊社Exploratoryの村里が要約という形でまとめております。SaaS、スタートアップ、または新しい製品の立ち上げなどに関わっている人はぜひ参考にしてみて下さい!
プロダクト・マーケット・フィットを達成するための4つステップ - リンク
データサイエンス・ブートキャンプ・トレーニング #29 & #30
次回の「データサイエンス・ブートキャンプ」は来年1月、そして3月にそれぞれ3日間集中コースとして開催することになっております。
データサイエンス、統計の手法、データ分析を1から体系的に学ぶことで、ビジネスの現場で使える実践的なスキルを身につけたいという方は、ぜひこの機会に参加をご検討ください!
ビジネスのデータ分析だけでなく、日常生活やキャリア構築にも役立つデータリテラシー、そして「よりよい意思決定」をしていくために必要になるデータをもとにした科学的思考もいっしょに身につけていただけるトレーニングとなっています。
日時:
平日3日間コース: 2023年1月18日(水), 19日(木), 20日(金)
平日3日間コース: 2023年3月22日(水), 23日(木), 24日(金)
アンケートデータ分析トレーニング 1月開催
アンケートデータを使って顧客をより深く、多面的に理解するために必要な データの加工、可視化、そして分析手法を基礎から効率的に学び、 現場で使えるスキルを身につけていただくためのトレーニングです。
日時: 2023/1/27 (金)
今週は以上です!
それでは、引き続きよろしくお願いいたします!
西田, Exploratory/CEO
KanAugust