All knowledge of reality starts from experience and ends in it.
現実に関する全ての知識は経験から始まり経験に終わる。
アルバート・アインシュタイン
こんにちは、Exploratoryの西田です!
あけましておめでとうございます!
私が住むフロリダは以前住んでいたカリフォルニアと違って和食を作るための食材が手に入れにくいですが、それでも最近はオンラインで日本の米やだしが手に入ります。そのためなんとか自宅で簡単なおせち料理を作り、正月をお祝いすることができました。連日暖かく、寒くない正月に餅を食べるというのはかなりの違和感がありましたが。😁
今年もデータに関する情報を皆様のお役に立てるよう発信していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
ところで、去年の年末に「カリフォルニアからフロリダへ - データを使った意思決定のための反復的学習プロセス」というテーマでセミナーを行いました。私は去年10月に20年住んだカリフォルニアを後にしフロリダへ移住したのですが、そこでの意思決定に関する話をしています。興味のある方はぜひご覧ください。
それでは、今週は以下の3本の記事を紹介してみたいと思います。
最近の興味深い英文の記事
アメリカの不動産マーケットのトレンド
Why Tampa will be 2022's Hottest Market - リンク
不動産の物件リストサービスを提供するZillowによる今年2022年の市場予測が出ていましたが、その中でアメリカの最も熱いと言われる人気の都市トップ10は以下のようになっています。
逆に、最も寒い(人気のない)都市はニューヨーク、ミルウォーキー、サンフランシスコ、シカゴとのことです。
これは以下の指標をもとにしたインデックスによるランクとのことです。
今年2022年11月の家の値段の予測
去年11月と今年11月の家の値段の変化率
去年1年間での、家がリストされてから売れるまでの期間(標準化)
新築数と雇用数の比率(過去2年)
去年と今年の持ち家率の変化
アメリカに詳しい方はわかるかもしれませんが、「熱い」都市に共通しているのはどこも共和党よりの州であり、逆に「寒い」都市は民主党よりの州です。特にこの1年、アメリカでは民主党よりの州から共和党よりの州への人が流れています。
以下は先日アメリカの国勢調査局が発表した州別の転入転出に関するデータを可視化したものです。
フロリダとテキサスに多くの人が転入し、逆にカリフォルニアやニューヨークからは多くの人たちが転出しているのが見えます。さらに赤は共和党よりの州、青は民主党寄りの州となりますが、全体的に共和党よりの州では転入者の方が多く、逆に民主党よりの州からは転出者の方が多いのがわかります。
これは、ロックダウン、マスク強制、学校閉鎖またはリモート、などといった要因が大きく影響していると思われます。ちなみに、共和党よりの州では基本的ロックダウン、マスク強制、学校閉鎖はなし、民主党よりの州は今でもやっています。
私もそのうちの1人でフロリダに引っ越したわけですが、こちらに来てからも同じような理由でカリフォルニアやニューヨークといった民主党よりの州から引っ越してきた人たちとよく出会います。この辺の話は前出の年末にやったセミナー「カリフォルニアからフロリダへ - データを使った意思決定のための反復的学習プロセス」の中でも話しているので興味のある方はぜひ見てみて下さい。
パンデミックによるEコマース業界のトレンドの変化とAmazonとShopifyの急成長
この2年に渡るコロナウイルスによるパンデミックによって、とくに旅行関連、飲食店などサービス産業をはじめとする多くの中小企業の多くが閉鎖、縮小に追い込まれてしまいました。
その逆に、AmazonやShopifyのようなEコマース / オンライン・ショッピングのインフラを提供するテック大企業にとってはパンデミックはビジネスを急成長させる機会となりました。
この事実は、なんとも後味の悪いものがありますが、それでもEコマース/小売業界がパンデミックによってどのように変化したのか、そのトレンドをつかんでおくのは重要ではないかと思います。
そこで、Marketplace PulseというEコマース業界のリサーチ会社がEコマース/マーケットプレース業界の2021年のトレンドに関するレポートを出していたので、その中から興味深い点を抜き出して紹介しています。
最初のデータ担当職の採用
ビジネスが大きくなってくると、それにともなって顧客が増え、使えるデータの種類も量も多くなってきます。これまではチームの誰かが片手間でやっていたデータ分析をだれか専属の人に任せ、データ分析のためのシステムとチームをスケール(拡大)するための準備をしていく必要があります。
そこで最初のデータ担当職を雇うことになるのですが、その時のアドバイス的な記事が最近出てました。(リンク)
下の図で緑の丸がついているところが、この「最初のデータ担当職」に期待される人とのことですが、アナリスト(分析者)とアナリティクス・エンジニアリングの両方のスキルを持った人です。
アナリスト
ビジネスの状況をつかむためのレポートを作成でき、データを使ってトレンドや問題を調べることができ、ビジネスの関係者(ステークホルダー)といっしょに日々の意思決定を行っていくために役立つインサイトをデータから提供する事ができる。ビジネス・インテリジェンス(BI)そしてダッシュボードに関して責任を持つ。
アナリティクス・エンジニアリング
データウェアハウスを構築、管理することができ、分析のために必要なデータをモデル化することができる人。SQLに強いタイプ。
以上の2つを兼ね備えているような人が求められるとのことですが、これは私も同感です。最初のデータ担当の人を雇う時によく見られる間違いとして、「データサイエンティスト」を雇って安心してしまうというのがあります。
しかし、この最初の人に最も期待されるのは、統計や機械学習に関しての深い知識や豊富な経験ではなく(もちろん、あればプラスではありますが)、それよりも、ビジネス担当者(この時点では多くの場合チームや組織のトップ)が抱えているビジネスの課題、問題に対する理解があり、共通言語で話すことができ、ビジネスをモニター、改善するために必要となる指標を作ることができるということです。
ただこれだけでは、これからデータ分析に必要となるシステムやチームをスケールさせていくには物足りません。この時点ではデータを保存するためのデータベースとは別に、データ分析または指標を構築しやすい形でデータを保存しておくための置き場所(データウェアハウス、ストレージ、など)が必要になってきます。こうしたシステムをいかにうまく作るか、これによって今後のビジネスやチームがどれだけの速さでスケールしていくかが決まると言っても過言ではないでしょう。
それだけ重要なシステムの構築を任せることができるような人には、ビジネスへの深い理解、そしてデータ分析の基盤を作ることができるスキルが必要とされるということですね。
ところで、よくこのデータ分析の基盤を作るための責任者にIT部門の人を任せるということがありますが、これもよく失敗するときのパターンだと思います。ビジネス側にとって必要な情報をとるためのデータの種類や形と、IT側にとって保存、メインテナンスするのに都合がいいデータの種類や形というのは多くの場合違います。この「文化の違い」を理解することなしに進めてしまうと、例えば6ヶ月とか長い時間が経った後に出来上がってきたデータ分析基盤が全く使い物にならないというのはよくある話です。
データサイエンス・ブートキャンプ・トレーニング #25
次回の「データサイエンス・ブートキャンプ」は2月となります。
データリテラシーを高めたい、またはデータサイエンス、統計の手法、データ分析を1から体系的に学び、ビジネスの現場で使える実践的なスキルをつけたいという方は、ぜひこの機会に参加をご検討ください!
日時: 2022/2/15(火), 16(水), 17(木)
講師:西田勘一郎
アンケートデータ分析トレーニング
アンケートデータを使って顧客をより深く、そして多面的に理解することは、ビジネスや提供するサービスを改善していくために必要不可欠です。
そのために必要な、データの加工、可視化、そして分析に関する手法をまとめて一気に学んでいただくためのトレーニングをこの3月に開催予定です。
アンケートは行っているが、その回答データをビジネスに活かしきれていないというお悩みをお持ちの方はぜひご参加を検討してみて下さい!
日時: 2022/3/11(土)
講師:西田勘一郎、村里郁哉、白戸敬登
今週は以上です!
それでは、今年令和4年(2022年)が皆様にとって素晴らしい年になることを祈っております!
西田, Exploratory/CEO
KanAugust