Exploratory Newsletter Vol. 115
地球温暖化とハリケーン、大統領選挙の行方、AIとGoogleの検索。
こんにちは!
Exploratoryの西田です。
先月初旬に私の住むフロリダのサラソタにハリケーン・ミルトンが直撃して以来、こちらのニュースレターの発信の方が滞ってしまいましたが、その間に様々な事がありました。
中でも以下に述べる3つの出来事が、私にとっては注目に値するものでした。
まずは1つ目、前述のハリケーン・ミルトンです。幸い私の家は大した被害はなく、州政府のよく練られた事前準備のお陰で、その後の復旧作業もかなり素早く行われ、今となってはハリケーンが直撃したことも過去の出来事のようです。
ただ、毎年のことですが、この手の自然災害が起きると決まってメディアは「地球温暖化」、「気候変動」を騒ぎ立てます。大型のハリケーンは地球温暖化によって起こされていて、何もしなければこれからもっと大変なハリケーンが襲ってくるというわけです。
しかし、落ち着いて過去のデータを見てみれば、この手の大型のハリケーンは特に最近のものではなく、昔から定期的にやってくるものであることが確認でき、それは地球温暖化とは関係のないことがわかります。
こちらに関しては詳細を以下のビデオにまとめましたので、地球温暖化とハリケーンの関係について興味のある方はご覧ください。
2つ目は、いよいよ大統領選挙が来週に迫ってきました。そこでメディアによる誹謗合戦も日に日に凄まじくなってきて、何が本当なのか、トランプ氏とハリス氏のどちらが勝つのか見えにくくなっています。
ただ、今回の選挙は前回2020年と比べて注目すべき2つの大きなうねりがあります。1つは黒人、ヒスパニック層が民主党支持から共和党支持に流れていることです。もう1つは、シリコンバレーも民主党支持から共和党支持に流れていることです。実際こうしたトレンドが最終的にどれほど選挙結果に影響を及ぼすのかはわかりませんが、それでも無視できないトレンドだと思います。
こちらに関しては以下の2つのビデオにまとめましたので、アメリカの大統領選挙や政治に興味のある方は、ぜひご覧ください。
最後の3つ目は、みなさんご存知の通り最近のAIの進化のスピードです。毎日のようにOpenAI、Google、xAI、Meta、Anthropic、そして他のAIスタートアップなどから新しいAIの新機能や新サービスが誕生しています。
その中でも私にとって衝撃的だったのは今週発表のあったChatGPTの検索機能です。以前から私はGoogleの検索の代わりにPerplexityやGenSparkなどのAI検索を使うようになっていました。ところが、ChatGPTが出してきた検索機能は、対話をしながら知りたい情報を探っていくというChatGPTのユーザー・エクスペリエンスを残しながら、さらに最新の情報を含んだ検索を組み合わせることができるという点で、かなり便利なものです。
さらにOpenAI(ChatGPTを提供する会社)が同じタイミングで出してきたChromeブラウザのChatGPTプラグインを使えば、ブラウザのアドレスバーに検索文字列を入力するだけで、知りたい情報に効率よくたどり着けるようになりました。
これをもって、私がGoogleの検索を使うことはもう完全に無くなるでしょう。このことが私にとっては衝撃でした。というのも、これこそが「イノベーターのジレンマ」というやつだからです。現在の生成AIの元となるのはトランスフォーマーというモデルで、それはGoogleで元々開発されたものです。しかし、その商業化に成功したのはChatGPTで、そのChatGPTがGoogleの検索ビジネスを潰してしまうことになるからです。
なぜ、Googleはもっと早く、OpenAIがChatGPTを市場に出す前に、トランスフォーマーを最大限活用したAIサービスを提供し、さらにGoogleの検索機能そのものを生成AIベースにすることができなかったのでしょうか。このできなかった理由こそが、大企業がすでに起動にのっているビジネスを守るために、新しいイノベーションを起こせなくなるという「イノベーターのジレンマ」というのものです。
現在Googleはアメリカ政府に検索市場での独占的地位を維持するために反競争的な行為を行っているとして、反トラスト法(独占禁止法)違反で訴えられています。それほど強固な独占ビジネスであったその検索ビジネスが、新興AI企業(OpenAI)によって奪われようとしているのは、あまりにも皮肉的な状況だと思います。
以上がここ最近で最も大きなデータ、AI関連の出来事でした。もちろん他にも様々なことが起きていますが、それらはまた来週以降触れていきたいと思います。
今回のニュースレターは以上となります。
それでは、素晴らしい残りの週末をお送りください!
西田, Exploratory/CEO
KanAugust
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