こんにちは!
ご無沙汰しております。Exploratoryの西田です。
来週末より、Exploratoryのデータサイエンス・ブートキャンプやExploratoryユーザー会のために来日する予定です。
そこで、来日中の水曜日、9月11日の夕方18:30よりデータリテラシー・セミナーを東京駅八重洲にある会場で開催します。
前回のデータリテラシー・セミナーでは「デミング哲学 - 深遠なる知識」として、データを使ってビジネスを改善していく文化とはどのようなものであるかという話をしました。(録画)
今回は実践編としてさらに一歩進み、デミング哲学を取り入れたAmazonがどのようにデータを使って継続的改善とイノベーションを可能にしてきたのか、その仕組みについて話をしたいと思います。
AmazonのWBR(Weekly Business Review)という仕組みを元にした、データを使ったビジネス改善の仕組みは、現在ビジネスの改善のためにどうデータを使えばよいのか悩んでいる多くの人たちに大きなヒントとなるのではないかと思います。
都合の許す方は、ぜひセミナーの詳細ページよりご参加お申し込みください!
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2つの異なるタイプのデータ分析 - 観察 vs. 実験
データ分析の対象となるデータには以下の2つのタイプがあります。
実験的データ - あるタイプのデータは実験または何か特別な調査によって生じるデータを使った分析です。何かの変更を加えたグループと何も変更を加えていない2つのグループを比べる、いわゆるA/Bテストと呼ばれるものなどから生じるものです。
観察的データ - 何らかのオペレーションの結果として生じるデータを使った分析です。ビジネスを運営することによって、あなたが観察できるデータが生み出されます。ウェブトラフィック、在庫、売上、投資などをモニターしてるときに見るデータのことです。
この2つのデータはそのデータを取得する背景やモチベーションが大きく異なるため、自ずと分析手法やアプローチも異なります。
ところが実際には、ビジネスでのデータ分析の現場においてこのことをあまり意識せず、学校や教科書で学んだ実験的データに対する分析手法を観察的データに対して使ってしまうことで、意思決定に役立たない分析結果に終わってしまうケースをよく見かけます。
ほとんどの人たちに無視されているがとても重要なこと、つまり観察データの分析と実験データの分析の違いについてわかりやすく解説している「Two Types of Data Analysis」という記事があったので、要訳という形で紹介しています。
改善のためにはボイス・オブ・カスタマーでなくボイス・オブ・プロセスを見なくてはいけない理由
データを使ってビジネスを改善するためには、ボイス・オブ・カスタマー(顧客の声)ではなく、ボイス・オブ・プロセス(プロセスの声)に注意を向けるべきです。
ボイス・オブ・カスタマー(顧客の声)とは、ターゲット、ゴール、予算など、顧客や経営層などに求められる何らかの要件、仕様などを表すものです。
ボイス・オブ・プロセス(プロセスの声)とは、自分たちのビジネスや組織が何らかのアウトプット(結果、成果)を出すまでのプロセスです。例えば、ユーザーがサインアップするまでのプロセス、ユーザーがキャンセルするまでのプロセス、などです。
XmRチャート、WBR(Weekly Business Review)といったツールや仕組みを使いボイス・オブ・プロセスに耳を傾けることで、ビジネスのアウトプットに影響するインプットに関する知識を得ることができるようになります。
そしてこれこそが、業務に携わる人を含め、組織にいる全ての人にとって知りたい知識であり、こうした知識を元にビジネスを確実に改善していくことで、仕事が意味のあるもの、やりがいのあるものとなっていく、という話を「Goodhart's Law Isn't as Useful as You Might Think」という記事を元にしました。
今週のチャート
私が昔住んでいたサンフランシスコはここ数年の間にホームレスの問題がとんでもなく大きくなってしまいました。昔からホームレスの問題はあったのですが、それは一部の地域に限られていました。ところがここ最近では、とにかく市内のあらゆるところの路上で見かけるようになり、さらに麻薬の問題、暴力事件などもからみ、手が負えない状況になってしまっています。
なぜ、こんなに問題が悪化してしまったのかについて、興味深いデータがあります。それは、サンフランシスコ市のホームレス関連の予算がこの10年の間にすごい勢いで増え続けているのですが、それにともないホームレスの数も増えているというものです。
そしてそうした予算の多くはNPOやシェルターを建設する建設会社に入ります。ホームレスの問題が悪化すると、政治家はそれを感情的な争点とし、より大きな予算を求める政治家が選挙で勝ち、その対策として様々なサービスを売り物にするNPOにお金が入る。そして、この問題が続く限り、予算は増え、同じ政治家が選挙で勝つ。
こうした「魔の無限ループ」から出られなくなっているのが、現在のサンフランシスコなどのいわゆる「リベラル」と言われる市に多い現象です。
この辺の話はXでデータを下にしていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
データリテラシー・セミナー : デミング哲学 - 「深遠なる知識」
アメリカ北西部の小さな町ベルビューで生まれたスタートアップ企業が、この哲学に出会い、デミング哲学をビジネスオペレーションに取り入れることで、飛躍的な成長を遂げました。
そのスタートアップこそ、現在では時価総額2兆ドル(約320兆円)を超え、世界中に150万人を超える従業員を抱える企業となったAmazonです。
前回のデータリテラシーセミナーでは、このデミング哲学についての理論的な背景をお話ししました。今回はその実践編として、Amazonがどのようにデータを使って継続的な改善とイノベーション可能にしているのか、その仕組みについて解説します。
Amazonのデミング哲学を元に作り上げた改善の文化の話は、現在ビジネスの改善のためにどうデータを使えばよいのか悩んでいる多くの人たちにとって大きなヒントになると思います。
ぜひ、ご参加を検討下さい!
開催概要
日付:2024年9月11日(水)
時間:18:30 - 20:00 - セミナー、20:00 - 懇親会
場所:AP東京八重洲(東京都中央区京橋1-10-7 KPP八重洲ビル 11F ルームO)
講師:西田勘一郎
参加費:セミナー(無料)、懇親会(2,000円)
Exploratoryユーザー会 #33
9月13日に「Exploratory ユーザー会 #33」を開催します。
今回も様々な業界、業種でご活躍されるExploratoryユーザーの方たちに現場でのデータ分析や活用の話を発表していただきます。
Exploratoryユーザーの方はもちろん、データやExploratoryに興味のある方はぜひお気軽に遊びに来て下さい!
ところで、登壇者によっては録画の公開がNGの場合もありますので、可能な限り会場へのご参加を検討ください。
席数が限られておりますので、お申し込みを締め切る場合がございますため、お早めのお申し込みをご検討下さい。
開催概要
日付 : 2024年9月13日 (金)
時間:17:30 - 20:00(17:15開場)、20:00 - 懇親会
会場:株式会社GxP様(東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル48F)
参加費:ユーザー会(無料)、懇親会(2,000円)
データサイエンス・ブートキャンプ・トレーニング #36
おかげさまでいつもご好評いただいおりますデータサイエンス・ブートキャンプですが、現在12月版への参加申し込みを開始しております。
ビジネスのデータ分析だけでなく、日常生活やキャリア構築にも役立つデータリテラシー、そして「よりよい意思決定」をしていくために必要になるデータをもとにした「科学的思考」もいっしょに身につけていただけるトレーニングとなっています。
データサイエンス、統計の手法、データ分析を1から体系的に学ぶことで、ビジネスの現場で使える実践的なスキルを身につけたいという方は、ぜひこの機会に参加をご検討ください!
日時:2024年12月17日(火), 18日(水), 19日(木)
場所:東京八重洲(対面形式)
今回のニュースレターは以上となります。
それでは、素晴らしい残りの週末をお送りください!
西田, Exploratory/CEO
KanAugust